
私たちが自らの心に向き合うことで苦悩を乗りこえようとするならば、その心を受けとり考えようとするもう一つの心を必要とします。精神分析的心理療法は、相談に来られた方が心理療法家の心を使用することで、今まで遠ざけていた自分の心と出会い直し、自らの心にもっと全体的に関わる経験をもたらすものです。
自らの心をめぐる経験のあり方が、心理療法家の心とのつながりを土台にして変化することで、「私は何者なのか」「ひととの関わりを私はどう感じているのか」という問いへの意識が変化し、その意識が豊かになることでしょう。
それは、生き生きと動く自由さと、安定した思慮深さとを心にもたらしうるもので、 心の健康に結びつく治療的な効果を持っています。
心の旅は、私たちの心が深淵で未知なものに覆われている事実がある以上、決して楽な旅路ではありませんが、人生の何らかのタイミングにおいて、じっくりと取り組むに値する仕事です。その旅に同伴し、その仕事に一緒に取り組みたいと思います。
北岡心理療法オフィス 北岡征毅