このような方に

どういう悩みや困難が精神分析的心理療法の対象になるのかは、一概には言えません。実際、当初意識されていた悩みが、面接が進むにつれて後景に退き、それまでは思いもよらなかった切実で大事な問題が浮上してくる、ということは、精神分析的心理療法のプロセスでよく見られるものです。

以下に示したのは、具体的な悩みごとの列挙というよりも、悩むという経験のありようの例です。

  • 愛情や依存などをめぐり、人間関係において似たような行き詰まりや苦しみが繰り返されている方が、そういう自分のことに自覚的になられて、自分自身を誰かと一緒にじっくり考えてみる必要性を感じておられるなら、ひととの関わりで繰り返される経験から自分のことを考える精神分析的心理療法が、その一つの機会になるかもしれません。
  • 自分の性格や行動に困っていたり苦しんでいて、自分自身をどうにかしないと進めないのではないか、とお考えの方、しかし自助努力だけでは限界を感じている方、だから一緒に自分自身のことを考えてほしいと思っておられる方には、心理療法とのつながりがお役に立てるかもしれません。
  • 辛い経験を巡って、誰かへの執着などの強い思いがあったり、自分の人生の不幸を嘆いたりしながらも、そういう自分に不自由さを感じ続けていたり、自分自身への嫌悪を感じ続けている方は、縛られた心に自由をもたらしうる精神分析的心理療法が、助けになるかもしれません。
  • 自分の抱えている問題や困難が、ご自分のお仕事や、大事な人との関係に良くない影響を与えているのではないか、という不安をお持ちの方は、自分に向き合うための精神分析的心理療法が必要になるかもしれません。
京都 四条烏丸の精神分析的心理療法(心理カウンセリング)オフィスのイメージ画像
Modersohn-Becker, Paula Mädchen vor Landschaft

入り口としての相談内容はさまざまであっても、実際的な話としては、これまで意識していなかった内面的なものに触れていくという治療が有益になりうることが、ご本人と心理療法家で一緒に考えられた場合、精神分析的心理療法を開始することになります。

精神分析的心理療法について」のページでは、精神分析的心理療法が、「現実への介入というアプローチ」や、「苦悩から離れるというアプローチ」とは違って、それ独自の治療的アプローチを持っていることを述べています。またそれに応じて、心理療法家が、どういう治療姿勢を大事にしているか、どういう種類の言葉を伝えようとこころみるのか、についても触れています。当オフィスでの心理療法を検討する際のご参考になさってください。

かかりつけの医療機関がおありの方へ

心理療法自体は医療的支援を提供することができませんから、精神症状や精神疾患がある方は、医療機関での主治医による精神医学的治療を受けられることが、とても大事です。そういう方の中で、主治医による治療を継続しながら、自分のことを心理療法家と一緒に考える精神分析的心理療法を経験したいという方がおられたら、主治医とご相談してみてください。主治医と話し合って考えた上で、当オフィスの心理療法を受けてみることを決められたなら、主治医からのご紹介状をご持参ください。当オフィスは主治医と連携して治療に取り組みます。各専門家が協力しながら自分の治療に関わっている、という経験そのものが、治療的なものになりうると当オフィスでは考えています。